BOLIVIA - 2005 January
COUNTRY REPORT -ボリビア

ボリビア BOLIVIA



ペルーのクスコ以来、標高4000m近い場所にずっといます。
ここボリビアは国土の1/3をアンデス山脈が占めており、よってその魅力が満載された国なわけです。(国土が日本の3倍、即ち日本と同じだけの面積が高地。)

高地ならではの魅力とは言っても、いきなりこの地を訪れた者にとっては、これほど過酷なところもないかもしれません。

実質上の首都ラ・パスは標高3650mといわれ、その国際空港(標高4082m)に降り立つと、人は少なからず高山病の症状をきたすそうです。空気は薄く、常々大きな深呼吸を必要とし、少々の移動や坂・階段の登りが異常に苦しい。生まれながらにして高度に順応している地元の人々が異様に逞しく見えるものです。





そんな苦しい思いをしてまでも人々を惹きつけるボリビアの魅力とは何か?
アンデス特有の雄大な自然の姿がある…
インディヘナの人々の逞しい姿と民族衣装…
フォルクローレの調…
インカやプレインカ時代の遺跡陣…
ウユニ塩湖…
スペイン植民地時代の面影を残す街の佇まい…

この過酷な環境の土地にはそれでも人々を呼び寄せるだけのものがあるわけです。
ただし誤解のないように付け足しますと、ボリビアは高原だけの国ではありません。ボリビアには隣接するブラジル、ペルー同様アマゾンが広がり、穴場的アマゾン体験も出来ます。

また南米最安値の物価であるボリビアではショッピングに食事にと目いっぱい楽しんでいただきたいと思います。インディヘナの人々の手作りの民芸品やアルパカ商品、チチカカ湖で取れた新鮮な魚など、財布の心配をすることない幸せがここに。
妻の体力やスケジュールの関係上、私達が訪れることが出来たのはチチカカ湖の町、コパカバーナと、首都ラ・パスのみです。

コロニアルな街並とダイナマイトによる鉱山砕石の町、ポトシやスクレ、ここでしか見ることの出来ない不思議な風景のウユニ塩湖、アンデスのリゾートタウン、コロイコなど、見ることが出来なかった数々の場所がありますが、そこは私達の後の人生の楽しみに取っておこうかと思います。




コパカバーナ Copacabana (標高3814m)
 


ペルーやボリビアはスリや盗難、強盗といった犯罪がある、ちょっとしたトラブルに会いやすい国でもあります。(注意事項はガイドブックや旅行者からよぉく聞いて下さい。)

ペルーに入って以来、比較的大きな街や観光地を周遊してきた私達にとって、ここコパカバーナの空気は、私達の心をリラックスさせるものでした。

ペルーのチチカカ湖沿いの街プーノから約3時間。直通のバスで何事もなく国境※を越えて辿り着くチチカカ湖沿い・ボリビアサイドののどかなプチリゾート町です。

ここはインカ時代の伝説を持つ太陽の島・月の島への玄関口でもあります。

※ プーノ(ペルー)からコパカバーナ方面(ボリビア)への国境越えの際、直通の少々高めのバスで行くか、コネクティーボと呼ばれる乗合バスで乗り継いで行くかの選択肢があります。直通のバスの際は荷物チェックもなくいたってスムーズでしたが、以前からペルー国境では荷物を抜き取られるというクレームが多いところなので、乗り継いでいかれる方はご注意。ただし私達が通った際の感想としては、以前のそういった状況を改善しようという政府の動きが見られるようにも思えました。



国境からコパカバーナはもうすぐ!




この町のカテドラルは立派。中も独特で素晴らしいので必見。





チチカカ湖に向かう斜面に町が出来ている。湖畔ではボートに乗ったりお茶したり、民芸品買ったりと、のんびり楽しめる。





ペルーより更に安い民芸品。街中に土産物屋が溢れる。ラ・パスより安いので、ちょっと値の張る手編み系はここでしっかり値段交渉して買いましょう。





チチカカ湖名物トゥルチャTrucha(マス)。美味しい鮭に似た食感で美味しい。







実質上の首都ラ・パス La Paz (標高3650m)
 
ラ・パスまでの道のりはチチカカ湖を越えて。


憲法上の首都はスクレです。タンザニアに行ったときも不思議でしたが、この行政上・憲法上は何処どこで、実質は何処どこって、不思議ですね。

さて、ラ・パスは「インディヘナの首都」「街中マーケット」なんて名付けたくなるような街です。街なかのどこに目を向けても露店が軒を連ねる旧市街には特にそのネーミングがピッタリで、民族衣装を着たインディヘナの女性達が逞しく働いています。よく寝てもいます(笑)。

1月末に訪れたラ・パスは、2月のカーニバルに向けて、旧市街の街中では花火や衣装などお祭りに関連する品々がバンバンと売られ、街の悪ガキは水風船を車に当てたりして(お祭り前の恒例行事らしい。)そのムードが高まっているところでした。

南米の多くの国では、カトリック暦の謝肉祭に合わせてカーニバルが行われるので、きっと他のそういった国でも毎年この時期はこうやって盛り上がってゆくんだろうなぁと、ローカルの気分を垣間見ることが出来ました。

ラ・パスは街なかを貫く1本のメインストリートを中心に、西から東へと街は高級感を増して変化してゆきます。人々の佇まいもグッと変わってくるところがボリビアの状況の縮図を見ているようで面白い。東の低い高級地は暖かく、西の高い土地は寒い。坂が多くて、とにかく移動するには必ず坂の登り下りがあって息が苦しい。




「街中マーケット」。旧市街中がこんな景色。





旧市街で見かけるリャマの胎児のミイラ。家を建てる時の祈願に、このミイラを建てる前の土地で、白い墨になるように燃やしてから埋めるそうです。




☆アンデス名物アルパカセーターの選び方☆

街には手編みのアルパカ商品が品質様々で溢れています。インディヘナの人達の手作りも多くを占めるので、買う際にはちょっとした注意が必要です。
1・サイズが全て違います。必ず試着しましょう。写真チンチクリンの図。 2・着てチクチクしたらリャマの毛が混じっていたり、良質の毛じゃなかったりします。自分のチクチク許容範囲で検討しましょう。写真チョットチクチクしてて不満の図。





市内より30分強南東、月面のような風景から「月の谷」と呼ばれるところ。トルコのカッパドキア同様、独特の土地の硬軟から侵食されて出来たもの。中に入ってその間を散歩できるので身近で見れて探検気分が楽しい。中から見る異世界の景色が美しい。




 
ラ・パスの1月24日に毎年行われるALASITAのお祭り。ALASITAでは、家や車やお金など色々なもののミニチュアが街中で売られ、自分が今年手に入れたいもののミニチュアを買って、それに聖なる?赤ワインや花びらなどを振りかけて煙にアブしてもらい、それを枕の下に入れて願うという恒例行事。お昼の12時と同時に購入するからその時間帯は人で溢れかえる。屋台やゲーム、プチ遊園地などもたくさん出て、日本のお祭りにとても似ていた。ボリビア最初の写真にも出したエケコEKEKOさんに、毎日お酒と煙草2本をあげる事で何でも思うものが手に入るそう。





ラ・パスの象徴、サン・フランシスコ寺院とムリリョ広場。休日のムリリョ広場はみんなの憩いの場。いい雰囲気。





ムリリョ広場の周辺はラ・パス市内でもスペイン植民地時代の雰囲気を残す最も味のある街並。写真はその中でも名物の、ハエン通り。





ボリビアには16日間滞在しました。特にラ・パスには14日間と、私達の旅中この規模の大きさの街にしてはかなり長く滞在したことになります。

その間、ガッついて観光するでもなく、ただのんびりと街の空気と共に過ごし、人々の営みをほんの少々垣間見てきました。旅も最終章に入っている私達にとって、久々に少々腰を据えたことは、日本での新たな生活に目標と希望をもって始める心意気となりました。特にカルロスさん&アケミさん、そして日本料理屋WAGAMAMAと日本人会館の原さんには大変お世話になりました、ここであらためてお礼の言葉を述べさせていただきたいと思います。



アケミさんと生後4ヶ月のダイサク。


 

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