Country Report - INDIA-
2004 November
" 北部インド NORTHEN INDIA"
Part 2
■ アーグラー AGRA
インド観光の大目玉、タージマハールはこちらにございます。 大観光地だけにツーリストとリキシャー(※)との間のトラブルが多く、旅行者からの評判が芳しくないこの街ですが、タージマハールの雄大さ、美しさは、そんな厄介も乗り越えて辿り着くだけの魅力十分です。 インド各地、そして国外のインド人やインド系移民にとってもタージマハールを見るのは一つの夢。多くのインド顔の人達もシャッター切りまくりで大ハシャギです。 面白いのは、タージマハールはイスラム教の建物であるということ。本堂?の横にはモスクがあります。ヒンドゥー教とイスラム教は非常に類似点も多い宗教ですが、しかし国民の大半が敬虔なヒンドゥー教徒である国の象徴がイスラム建築、ヒンドゥー教徒のインド人も多く訪れ、インド人として誇りに思っている、その関係が私には不思議で興味深かったです。 いろんな所を旅をしていても、多くの旅人はインドの話をしてしまいます。インド経験者はどうしてもインド話をしたくなる。日本や西洋文化の中育った人たちにとってそれは、とにかく異様な世界。 「インドの○○が驚きだ」「インドの××はそりゃもう!」なんて話を何度となく聞いていると、それを知らずして世界を旅行してきたなんて言ってはいけない気さえしてしまいます。 そんな訳で、私達も是が非でもインドに触れなくてはと向かったわけです。 そこで出会ったものは、驚くべき混沌とした世界と、独自の文化の坩堝でした! インドは賛否両論分かれる国です。「二度と行きたくない!」「大好きだ、リピーターだ!」、挙句の果てには旅行者なのに住んじゃっている?ような人まで。さてそれでは私達はどう思ったか?、結論から言いますと、すっかり魅せられちゃいました!! 私達の滞在は2週間。インドを旅するには非常に短い期間だったので、私達はその大きな国土の北部、ゴールデンルートといわれるところの数箇所を訪れたに過ぎません。しかしそこにはインドを象徴するものが多くあり、その魅力を存分に与えてくれました。 ※ リキシャーとはインドのタクシー的市民の足。基本3輪で、エンジン付のオートリキシャー、自転車タイプのサイクルリキシャー、そしてカルカッタのみ人力車タイプのリキシャーがあります。普通のタクシーももちろんあります。
インドはとにかく不思議と驚きの連続。 目に入ってくる景色、人々の特異性、文化の豊かさ、それらは今世界中が西欧化されているといわれる時代の中で本当に貴重なものです。異国の人間である旅行者にとって、こういった非日常的なものは最も魅力的で、そこに触れることが出来るのは旅の醍醐味の一つでしょう。 日本が鎖国から開国する前後の19世紀頃には、欧米諸国にとって日本もその特異なカルチャーが相当魅力的に写っていたようです。戦後最も西洋化されたアジアの国の一つとなった日本、そこに生まれた者として、インドを眩しく感じても不思議はないでしょう。 もちろんインド人にとっては眩しいなんて言ってはいられません。「インドは問題がいっぱいだ。」とは出会ったインド人達が口々に言うことです。公害、病気、貧困、その他多くの問題を抱えている国であるのが事実です。 ただ私達は、インド人の頭の良さ、逞しさを旅の随所で感じさせられるわけで、そんな彼らがどんな時代も『インド人』として生きていくであろうことを疑うまでもありません。
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