Country Report - INDIA-
2004 November
" 北部インド NORTHEN INDIA"
Part 1
■ COUNTRY REPORT -北部インド NORTHEN INDIA- いろんな所を旅をしていても、多くの旅人はインドの話をしてしまいます。インド経験者はどうしてもインド話をしたくなる。日本や西洋文化の中育った人たちにとってそれは、とにかく異様な世界。 「インドの○○が驚きだ」「インドの××はそりゃもう!」なんて話を何度となく聞いていると、それを知らずして世界を旅行してきたなんて言ってはいけない気さえしてしまいます。 そんな訳で、私達も是が非でもインドに触れなくてはと向かったわけです。 そこで出会ったものは、驚くべき混沌とした世界と、独自の文化の坩堝でした! インドは賛否両論分かれる国です。「二度と行きたくない!」「大好きだ、リピーターだ!」、挙句の果てには旅行者なのに住んじゃっている?ような人まで。さてそれでは私達はどう思ったか?、結論から言いますと、すっかり魅せられちゃいました!! 私達の滞在は2週間。インドを旅するには非常に短い期間だったので、私達はその大きな国土の北部、ゴールデンルートといわれるところの数箇所を訪れたに過ぎません。しかしそこにはインドを象徴するものが多くあり、その魅力を存分に与えてくれました。 ■ カルカッタ KOLKATA タイのバンコクからのフライトで最もポピュラーな入り口カルカッタ。ある旅行者がこの街を「お化け屋敷」と例えていたのがあまりにもぴったりの表現(失礼…)です。 タイからインド航空で降り立つと、皆,夜のカルカッタに着きます。 空港では出鼻からタクシーのボッタクリや強烈な勧誘の雑踏に呑まれ、黄色の街頭に照らされたボロボロの街へと踏み出すと、低カースト(※)の名残を持つ人達が一種異様に佇み、猛烈な排気ガスや悪臭がたちこめる。 怯えた旅行者がからがら宿へと辿り着き、一晩明けて街へ出てみると、昨晩のおどろおどろしい光景とはまた違う、きちっとした服を着た人や乞食までが入り乱れ混沌としたハチャメチャな情景を目にする。 そしてフッと気付くわけです。お化け屋敷に電気をつけると意外と怖がるまでもない世界である、ああ、この街はそうなってるんだな、と。 ※ カーストとはインド古来の身分・階級制度のこと。現在は公には認められていないが、インド人には今も根強くその名残がある。
■ バラナシ(ベナレス) VARANASI ここはインドの、インド人にとっての聖地です。 旅行者には、「他のインド全て廻っても、バラナシに行かなければインドに行ったという事にならない」と言われるところ。それほどバラナシはインドをイメージする全てを凝縮した街なのです。 聖なる河ガンジスに抱かれるこの街は正にガンジス河と共に生きています。沐浴場(ガート)がガンジス河に沿って街の端から端まであり、沐浴する人、然り、洗濯、風呂、そして死後火葬された死体も河に流されてゆきます。カーストに関係なく大抵のインド人がこの地で死に、何世紀も途絶えることなく燃えるマニカルニカー・ガートの聖なる火に焼かれ、ガンジス河に流されることを心から願います。このガンジスに関わるあらゆることがバラナシの大きな驚き・魅力の一つです。 そしてこの街では他でも、インド独特のカルチャーを強烈に印象付けるものが我々旅行者を飲み込みます。 街で人と同じように生活する牛。牛はインド人が崇拝するもっともポピュラーな神であるシヴァ神の乗り物である生き物として崇拝の対象です。聖地であるこの街では特に街中牛で溢れており、細く入り組んだ路地を人同様に堂々と歩き回り、そのため街中は本当に、本当にぃ〜、糞だらけ、いや道は糞で出来ているようなものです(キャ〜!)。とにかく街中臭い! インドの民族衣装サリーやクルタパジャマを売る店や、タブラやシタールといった楽器を実演販売する店も、路地が細く入り組んで生活感溢れるこの街ではより身近なものとなり、旅行者が触れる機会もぐっと増えます。また宗教的な物を売る露店や神像も街のいたるところにあり、聖地の息吹を感じます。 ヒンドゥー教の聖地。ヒンドゥーとは元来インドの言葉で「インド」を意味します。 そう、ここはインド教の聖地、ここがインドです。
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